おきらく・ごくらく日記

野鳥とゲームとデジタルガジェットの日々

端末代金0円が禁止に

2016年4月1日から、携帯電話の端末代金0円などの、極端な端末の値下げが政府の指導で禁止となりました。

それを守らせる為か、覆面調査員も暗躍してるそうです。

しかし、この施策は誰のためのものなのか、はっきり言って疑問。

すでに契約しているユーザーが、高い携帯電話利用料金を支払っていて、その内の利益が端末代金0円の原資になっている不公平感を無くすため?
だからといって、キャリアーが携帯電話利用料を下げるのでしょうか?

携帯電話の利用料金を下げさせたいということであれば、その点のみに注力して、行政指導をすれば良いだけです。

携帯電話の利用料金を一定レベルまで下げるように指導するだけで、その方法についてとやかく言う必要はないのではないでしょうか?

利用料金を下げなさい。
その結果損失が出るならば、その損失が出ない方法を各社で工夫しなさい。

ということだけで良いはずなのに、なぜわざわざ極端な端末代金の値引きは止めなさいという話になるのかが不思議です。


値下げのための原資が足りないとなれば、各キャリアー側で色々な工夫をして、その工夫がキャリアーの特色となり、消費者がそのキャリアーを選択する理由になって行くと思うのに、政府が極端な端末価格の値下げを止めて、携帯の利用代金を下げなさいということを言うと、そこにキャリアーごとの工夫は出なくなってくるように思えます。

その結果、同じようなサービスで同じ金額の会社だけしか残らず、ユーザーはどこを選んでも同じという判断になり、キャリアーとしてもそう考えるユーザーへのアプローチ方法が限られてしまうのではないのかなぁと。

目標を提示して、その目標に向けてのアプローチの方法はキャリアーに任せるということで良かったのではないでしょうか?

端末代0円がなくなると、新規契約の獲得や、新しい端末が売れなくなり、結果として携帯電話関係市場が冷え込んで行くということになるのではないでしょうか?

景気を良くしたいために、消費者の負担となっている携帯電話代金を下げて、その浮いた分を他に回す事で経済を少しでも良くしようという目論みが、携帯端末代金の極度の割引販売禁止とすることで、阻害されていることになるのではないでしょうか?

正直、携帯電話市場については、官製不況と言われても仕方が無いほどの規制となってしまっているような気がします。

もう少し政府がやりたいこと、目的をはっきりとさせて、その点のみをキャリアーに指導し、方法については、キャリアーに任せるという形で対応した方が良いと思います。

やり方について、政府が手取り足取り指示していたのでは、キャリアーの違いは出てきません。

この会社は端末代が安いけど通信量が他に比べて割高。
この会社は端末代が高めだけど、通信量が他に比べて安い。
この会社は長く使えばお得感が増す会社・・・
この会社は他よりも色んな端末が選べる会社・・・

ソフトバンクiPhone を最初に導入した時に、一気に契約数が増えた時のように、キャリアーごとの差別化ができないことには、ユーザーはその会社を選びたいという動機になりづらい。
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違いが出ない事には、消費者の選択基準や選択判断が、テレビコマーシャルの良し悪しのみになってしまいます。

そうなってくると、コマーシャルの制作費が高騰して、消費者が支払った分がそちらに回ってしまい、今以上にまずいことになってしまうのではないでしょうか?

果たしてこれから、どうなって行くのか、個人的には少々心配です。