本日見かけたニュースで気になった記事に、Apple が ガチャの排出率表記を義務化するというもの。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171221-00000113-it_nlab-sciheadlines.yahoo.co.jp
記事によると、Apple が開発者に対して公開しているアプリ開発のガイドラインの海外版において、ランダム型の有料アイテム提供方式を持つアプリに種類別の排出率を利用者に開示することを求める一文が加わったそうです。
一応、ニュースが正しいかどうかを Apple のサイトで確認してみました。
App Store Review Guidelines - Apple Developer
すると、「3.1.1 In-App Purchase」の一番最後の項目として追加された一文がそれのようです。
・Apps offering “loot boxes” or other mechanisms that provide randomized virtual items for purchase must disclose the odds of receiving each type of item to customers prior to purchase.
意味としては、
「ルートボックス」または購入のためのランダム化された仮想アイテムを提供するアプリケーションは、購入前に顧客に対して各タイプのアイテムの受け取る確率を開示しなければならない。
という感じです。
「ルートボックス」というのは、課金などによってランダムの仮想アイテムが入手できる仕組みのことで、日本のガチャなどもそれにあたります。
一応、日本語版のガイドラインも確認してみましたが、現時点(2017年12月22日)では、まだ追記されておりませんでした。
App Store Reviewガイドライン - Apple Developer
ただ、翻訳が追いついていないだけで、ガイドライン自体は同じものが適用されると思うので、今後日本でもそうなっていくとは思います。
各アイテムの排出率が表示されることで、課金をするかどうか少しは考えるようになるのかなぁと思ったりもするのですが・・・
せっかくなので、重課金で失敗する人が、少しでも減ってくれれば良いとは思いますが・・・
実際には、ガチャの排出率が低いからといって、プレイしてみたいゲームをプレイしないという人は、あまりいないような気がしております。
現状でもある程度のゲームでは、すでにおおよその出現率が表示されていたりします。
しかし、ゲームをプレイしている人がいちいちそれを確認しているのかと聞かれると、最初から確認して引くもしくはゲームを開始する人はいないのではないかなぁと。
私の場合は、実際にプレイして、ガチャを引いてみて、なかなか出ない時にどれぐらいの確率かなぁと調べることはあったりします。
リセマラを何度やっても、レアなキャラクターが出ない時などは、一応調べてみます。
現在絶賛リセマラ中のあのゲームなんかは、確率を見て絶望感を味わったりしているのですが・・・
ken-s.hateblo.jp
しかし、ゲームを始める前から出現率を調べることはしないことがほとんどなので、ガイドラインの変更による効果はどの程度のものかは、実際に課金をしない私には分からないかなぁと。
ゲームを開始して、ガチャを引く為に課金するかどうするかを悩む段階になれば、排出率を調べて出にくければ課金しないという流れになるのかもしれませんが・・・
ただ、排出率が表示されたところで、それが本当に正しいのかどうかは、調べようがないような気もします。
現実にお店で売られているようなくじ引きなどの場合は、売られているくじを全て買い取れば、実際にどれだけ当たりが入っているか調べることができます。
しかし、デジタルコンテンツの場合は、総量がないので、それを調べることはできないかなぁと。
実際にガチャを引いてみて、体感的に出やすい・出にくいというのはあるかもしれませんが、そこに書かれている確率の通りになっているのかは調べる術がないかと。
それは、義務化する Apple にとっても同じことで、提出されたファイルを逆アセンブルなどして解析して、該当部分のソースコードを確認するとかしない限りは、提示されている情報が本当かどうかは分からないと思います。
さらには、デジタルコンテンツの確率をと、現実のくじなどの確率ではそもそもの構造が違います。
現実のくじの場合は、はずれが出続けてくじの総量が減っていけば、残っているくじから当たりが出る確率は上がって行きます。
たとえば、100個の中からあたりが10個ある状態なら、最初の1つ目は当たりの確率は10/100。
1つ目が外れれば、次の当たりの確率は10/99。
10回はずれが続けば、その次の当たりの確率は 10/90となり、いずれは当たりが出ます。
20回はずれが続けば、10/80と確率が上がって行きます。
しかし、デジタルコンテンツの場合は、何度くじを引いても総量が変わらないので・・・
10回連続ではずれを引いた後の確率は、最初の1回目と同じで10/100と変化はありません。
なので、排出率1パーセントとなれば、引く度に1パーセントの当選率。
初めて引いた場合でも1パーセント、100回引いた後でも1パーセント・・・
デジタルコンテンツの場合は、はたして体感的に、どれぐらいの確率があれば、当たりやすいと感じられるのか・・・
各社が排出率を表示するようになれば、その辺の感覚もつかめるようになって行くのかなぁと。
とりあえず Apple だけでなく、Google についても、Android用アプリで排出率の表示を義務化するようにガイドラインを変更してもらえれば、その辺がもう少し体感しやすくなるかなぁと。
Appleの iOSアプリのみ表示され、Android版では表示しなくても良いとなると、排出率が表示されるiOS版のみ排出率を高くして、表示しなくても良い Android版は排出率が低いままという状況が発生するかもしれませんし・・・
個人的には、今回の排出率表示義務化を Apple が進めることで、他にも広く波及していき、ガチャを提供する会社が少しでもガチャを当たりやすくしてくれると良いなぁと期待しております。