おきらく・ごくらく日記

野鳥とゲームとデジタルガジェットの日々

Apple から各種新サービスが発表されました

本日(現地時間2019年3月25日)、Appleが発表会を開き、その場で新しいサービスを各種発表しました。

Apple News+」は、雑誌や新聞など計300誌のニュースが見れる月額課金制のサービス。
利用料は月額9.99ドルで、提供開始は3月25日(現地時間)から。

Apple Arcade」は、100タイトル以上のゲームを遊び放題としてラインナップする月額課金制のサービス。
iPhoneiPadMacApple TVで利用でき、2019年秋に提供予定。

Apple TV+」はApple TV向けの新サービスで、オリジナル作品を配信するもの。
価格とサービス開始時期は今秋に発表される予定。

Apple Card」は、iPhoneのためにデザインされたというクレジットカードで、ブランドはMastercard。
年会費は無料で、今夏に米国で提供される予定。

書籍や映像、ゲームにクレジットカードまで。
色んな方向に向けたサービスが発表され、色んな人が興味を持てそうな気もしてきます。

しかし、個人的には、今回の発表に関しては、残念ながらどのサービスにも興味が出ませんでした。

その辺についての個人的な感想を。



最大の理由は、いずれのサービスも、Apple製品ありきのサービスだからです。
Apple 製品を使っているユーザーにとっては、色々とやれることが増えるので、もしかしたら中には興味を持てそうなものがあるのかもしれません。

しかし、Apple製品のユーザーでない場合は、今回の発表会を見て、新たに Apple製品を買ってまで使いたいと思うサービスがあるかと問われれば、疑問符が付くかなぁと。

むしろ、競合する他社のサービスに比べて、Apple 製品に限定されたサービスという点では、ターゲットがかなり限定されてしまうのではないかなぁと。

中身のコンテンツが魅力的であれば、ハードを買ってまで試してみたいと思うところですが、そうでなければ、使用機器を選ばない類似サービスを利用する人の方が多いのではないでしょうか。

個人的には、ゲーム分野のサービス「Apple Arcade」が発表されたのは、良かったとは思いますが・・・

その前に Google が発表した「STADIA」の方が、個人的には可能性を感じております。
ken-s.hateblo.jp

プレイする人によっては、通信環境に依存しないで、ローカルでもプレイできる「Apple Arcade」の方が良いと思うことがあるかもしれません。

iPhoneiPadMacApple TVそれぞれで、ゲームを続きからプレイできるので、外出先で iPhoneiPad でプレイしていたゲームの続きを、自宅に帰ってから大きなモニタがつながっている MacApple TV などでプレイするという遊び方もできるようなので、なかなか良さそうな感じもします。

しかし、個人的にはそこに落とし穴があるのではないかなぁとおもっております。

ローカル環境でも動作するということは、すなわち各ハードごとにゲームソフトが存在しているということになります。
同一のゲームタイトルであったとしても、iPhoneでプレイするにはiPhone用のソフトが、Madでプレイするには、Mac用のソフトが必要となってきます。

プレイする側にしてみれば、それぞれの端末毎にゲームをダウンロードする手間ぐらいで済みます。

しかし、実際にゲームを供給する側・・・メーカー側からすれば、「Apple Arcade」用にゲームを作る際には、1つのタイトルでそれぞれの端末向けのソフトを作る必要が発生してきます。
すなわち、労力的にはかなり増えて行くこととなります。
Appleが果たしてゲーム供給側にどの程度の制約を課すのかは分かりませんが、全機種対応が必須となれば、それだけでかなり大きな参入障壁となってしまいそうです。

かといって、どれか1機種だけへの対応で構わないとなれば、ユーザー側の利便性を損なうことになるので、「Apple Arcade」を利用するメリットは薄れてしまいます。

しかも、対象となる端末の処理能力が異なる以上、それぞれでチューニングする必要が出てきます。
Macだとサクサク動くけど、iPhoneだと処理が重くなるということが発生したり、映像品質が低下したりといったことが出てくるのではないかなぁと。
iPhoneでもMacでも動作するものを作るとなれば、処理能力の低いものに準拠して作る必要が出てくるので、リッチなコンテンツを作るのも難しいのではないかなぁと。

それに対して、Google が提供予定の「STADIA」はクラウドゲームなので、実行するサーバー向けにゲームを作れば良いし、そのサーバーのスペックがそこそこ高いので、そういった制限は受け難いかなぁと。

問題は再生するクライアント側のソフトですが、その部分はおそらく Google が開発を担っていくと思うので、ゲーム供給会社側はその辺を考えなくても良いので、制作側としては「STADIA」の方が「Apple Arcade」よりも参入しやすいのかなぁと。

開発リソースとして、投入できる人数が同じであれば、複数の端末で同じように動作するソフトを作るよりは、1つの端末に特化したソフトを作る方がより良いものが作れるのではないでしょうか。

それでいて、対象となるハードはといえば、Apple 製品だけの「Apple Arcade」よりも、色んなハードに展開される「STADIA」の方がプレイできる端末台数が多くなる可能性を秘めております。

そういうことを考えて行くと、「Apple Arcade」と「STADIA」を比べると、どちらが参入しやすいかとなれば、後者の方になるのかなぁと。

参入しやすいということは、それだけより多くのゲームが集まってくることになるので、サービスが発展していくことになるのではないかなぁと。

なので、ざっと見渡した感じでは、今回発表された Apple のサービスについては、個人的にはどれもイマイチ興味が湧かないということになってしまいました。

昔のような、Apple から発表されればワクワクしてしまう感じは、今となっては、もう味わえないのなぁと少々残念だったりします。