おきらく・ごくらく日記

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果たして年間38万円で「健康で文化的な最低限の生活」が送れるのか?

今年も確定申告の申告用紙が我が家に到着しました。

サラリーマン時代には、毎年会社がやってくれていたため、そういった税金のことをあまり知らずに、年末調整でお金が返って来るので、臨時ボーナスみたいに考えておりました。

しかし、フリーで仕事をするようになってからは、毎年この時期になると、納期が迫る感覚になってしまいます。

フリーで売上げを上げている以上、確定申告は1年に一度の必要な儀式。
毎年提出期限ギリギリに慌てて過去の申告用紙を取り出して、書き方を思い出しながら書類を作成し、締め切り日に間に合わせる感じです。

今年の所得税の申告期限は2015年3月16日となっておりますので、それまでには書類を用意しないと・・・

さて、毎年確定申告の際に疑問に思っていることがあります。

それは

基礎控除の38万円という金額

について。



所得税を申告する際に、全員に一律でこの基礎控除の38万円が控除されます。
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所得税基礎控除の役割

この基礎控除が一体何のためのものかと調べてみたところ、

憲法第25条の健康で文化的な最低限度の生活のための控除

ということだそうです。

文化的な最低限度の生活をするための金額が、1年間で38万円だそうです。
ひと月あたりの金額にすると、31,666円です。

食べ物も住むところも、光熱費も全て含めてこの金額でまかなえと言っているわけです。

現在の日本の物価において、ひと月3万円少しで、文化的な最低限の生活をすることができるところがあるんでしょうか?

子供はカスミを食べて生きろと?

さらに言えば、一昨年ぐらいから、扶養控除の対象に子供を入れられなくなっています。

サラリーマンの子どもを持つ方も、この影響を受けて、税金が一昨年ぐらいから上がってませんか?

例えば、子供が2人いた場合、一昨年より前の場合は、申告者本人とその人が扶養するべき家族の子供2人分、38万円x3=118万円が控除額でした。
ところが、一昨年からはこれが無くなり、子供が扶養控除の対象から外され、申告者本人の38万円しか控除されないという状況になっています。

その上、子ども手当も減額され、子育て世帯はダブルパンチでピンチの状況に。
日本のどこかに、子供を育てながら38万円で暮らせる場所があるんでしょうか?

こんな状況では、日本で少子化が進むのは、当然な気がします。
きっと、政治家も官僚も、本気で対応する気がないんでしょう。
一種のパフォーマンスとして、少子化対策と言っているとしか思えませんよね。

基礎控除の本来の目的に合わせて金額の見直しが必要なのでは?

ちなみに、基礎控除が38万円になったのは、1995年頃のことらしいです。
すでに設定されてから、20年が経過してます。

その間に、物価変動があるにも関わらず、現時点まで一切の見直しが入っていません。

年金の支給額の算出には、マクロ経済スライドや、物価経済スライドなどを盛り込んで、毎年のように支給額が変動(減少)していくのに、基礎控除は経済状況や物価などを一切反映せずに、据え置きというのは、どうなんだろうと思ってしまいます。

現在の物価で、年間38万円で暮らす事ができるモデルケースというのを、政府には是非見せていただきたいものです。
さらには、そういう生活が実際にできるのか、試してもらいたいものです。