最近、自宅で家庭用ゲーム機向けのゲームをプレイする時に、昔よりもプレイするためのハードルが上がったような気がしております。
任天堂のファミリーコンピュータから、ニンテンドー64ぐらいのゲームの供給媒体がROMカートリッジだった頃は、ゲームをプレイしたいと思ったら、プレイしたいゲームカートリッジを本体にセットして、すぐにプレイを開始できました。
そのため、あまり時間が取れない時でも、電源を入れればすぐにゲームが開始して、パッと終わらせることができ、結構お手軽に楽しめました。
そういったゲームを求める人が多かったからか、先日発売された「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」はかなり売れて、品切れ状態になっているのかもしれません。
ところが、プレイステーションぐらいから、ゲームがディスク媒体で提供されるようになってからは、ゲームをプレイしたいと思っても、ディスクのロード時間が含まれるようになり、以前よりも短時間でプレイすることが少し難しくなりました。
そのため、ある程度まとまった時間が取れる時でなければ、わざわざゲームをプレイするためにゲーム機を立ち上げることがなくなったような気がします。
それでもまぁ、最初にプレイするために待たされる時間としてはロードが入る1分程度ぐらいのもの。
途中のロードが入るとしても、まだ我慢はできていたかなぁと。
さらにその後、ゲーム機がインターネットに接続されるようになり、本体にハードディスクやメモリストレージなどの保存領域が組み込まれるようになってからは、さらにプレイの手軽さが減ったような気がします。
我が家でPS3を購入したタイミングが、リリースされてからかなり後だったため、本体が発売されてから我が家に導入されるまでの間にリリースされた面白そうなPS3のソフトを買って来ることが結構多いです。
ところが、そういったゲームを買って来て、プレイしようとディスクを本体にセットし、ゲームを開始しようとしても、ゲームをすぐに始めることができないことがほとんど。
たいていのゲームソフトは初回起動時に、アップデートのためにインターネットからファイルをダウンロードすることが多いです。
プレイするのが楽しみで、すぐにでもプレイしたくて新しく買って来たゲーム。
ところが立ち上げても、いきなりソフトのアップデート処理が入って、アップデートファイルのダウンロード&インストール作業。
その間は、何も出来ずに、ぼーっとインストール作業の進行状況を見続けるしかないという状態。
プレイしたいと思う熱い気持ちも、そんな時間のせいで削がれてしまい、かなり興醒め。
リリースされてから時間が経っているゲームなので、その間に色々な不具合が見つかったというのであれば、仕方がないのかなぁとまだ我慢もできたりします。
しかし、聞いたところによると、つい最近発売されたPS4「ファイナルファンタジー15」に至っては、リリース当日にいきなり 7.9GBのアップデートファイルをダウンロードしないといけないとか。
ネットワークの回線スピードによるとは思いますが、果たしてプレイを開始できるまでに、何分待たされるのか・・・リリース当日に、いきなりそんなに巨大な容量のファイルをダウンロードしないといけないというのは、商品としては欠陥品の状態で発売しているということなのではないかなぁと。
昔のROM媒体の頃を知っている身としては考えられないことです。
そんな不具合が出てしまったら、ROMの回収&交換などが必要になって、場合によっては会社の存続に関わる事態になってきます。
そのため、デバッグやバグ出しには細心の注意を払って、開発完了してからも長い時間かけて行う必要がありました。
ところが、本体に保存できるストレージ領域が確保できるようになってからは、多少の不具合であれば、インターネット経由でアップデートして対応すれば良いという考え方が蔓延しつつあるのではないかなぁと。
不具合があれば、後からアップデートで対応してしまえば良いという考え方が、メーカー側のチェック体制や品質管理体制の根底に存在しているのではないかなぁと思ってしまいます。
確かにゲームに使える容量が非常に大きくなって、ゲームのボリュームも肥大化しているのは分かりますが、もう少し不具合や不備に対して、リリースする前にテストしたり、品質を向上させてからリリースするべきではないのかなぁと。
さておき、そういったゲームをプレイしたいのに、プレイをスタートしてもすぐに開始できない状況は、昔の家庭用ゲーム機を知る人にとっては、非常に残念です。
しかも、これは買って来てすぐだけではなく、メーカーの都合によって、頻繁に発生することもあったりします。
昨日までプレイしていた続きを少しだけできた空き時間でプレイしようと思ってゲーム機を立ち上げたら、新しいアップデートが届いていていきなりファイルのダウンロードが開始。
イライラしながら待っていてもなかなかダウンロードが終わらず、結局プレイできる空き時間を全て使ってもダウンロードが完了せずにプレイできずじまい・・・
そういう状況が何度も繰り返されると、やがてプレイしたくても、ある程度まとまった時間が取れる時にしかプレイできないから、ゲーム機を立ち上げる頻度が下がっていくことになるのかなぁと。
その結果として、家庭用ゲーム機のゲームは、昔のような手軽さは無くなってしまって、かなりまとまった時間が取れる時にしかプレイできない、プレイするのに時間的にも、心理的にもハードルが高くなってしまったと個人的に感じております。
そういう所も、家庭用ゲーム機のゲームソフトの市場規模が年々減少している要因の1つなのかなぁと思ってしまいます。
ゲームをプレイしたくてもすぐにプレイできなくなった、ゲームプレイ環境としては退化してしまった家庭用ゲーム機に変わって、昔のROM媒体のように、プレイしたいときにすぐに立ち上げてさっとプレイできるスマートフォンやタブレットのゲームの市場が伸びて行ったのは、当然の流れのような気もします。
(ただ、最近では、スマートフォンのゲームも色々なファイルのダウンロードやアップデートが頻繁に入るので、お手軽さという点においては、退化しつつあるような気もしますが・・・)
ゲームはすることがない余った時間でプレイする娯楽だからこそ、多くの人に受け入れられて、ここまで成長してきたもの。
もしあらゆるゲームがそういった余った時間ではプレイできなくなってしまったら・・・
ゲーム市場が成長してきた要因の1つが欠けてしまって、ゲームという娯楽自体が廃れて行ってしまうのではないかなぁと。
本当にゲームが好きな、ごく一部のゲームマニアしかプレイしないような娯楽になっていき、ゲームが売れなくなってメーカーも新しいゲームをリリースできなくなって・・・という悪循環に陥ってしまうのではないかなぁと少々心配になってしまいました。
そういうことだけは、避けてほしいなぁと・・・
一応今度発売される新しいゲーム機の「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」は媒体がディスクではなく、カートリッジだそうです。
www.nintendo.co.jp
いろいろな記事などを見ていると、ゲーム機のスペックなどの点から、ほとんどが否定的な意見が多いハードのように見受けられます。
そこには、現時点での情報では、特に目新しい機能はあまり見られません。
目新しい機能でいえば、つい先日発売されて、売り切れ中の「PlayStation VR」の方が、技術的にも、プレイ感覚的にも新しいと思います。
しかし、新しい技術が必ずしもゲーム市場を押し上げるか、売れるのかと問われれば、そうとも限らないのかなぁと。
むしろ、「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」のように、すでにある技術であったとしても、昔のファミコンのように、カートリッジを挿してすぐにプレイできるという、ディスク媒体にはない手軽さが戻ってくれば、今よりも家庭用ゲーム機市場を盛り上げることができる可能性を秘めているのではないかなぁと。
ゲームをプレイできる時間が1時間あったとして、実際にプレイできる時間が1時間フルにあるカートリッジ媒体と、ローディング時間がかかって、40分ぐらいしかプレイできないようなディスク媒体では、どちらが濃密なゲームを楽しむ時間を体験させてくれるのかという部分。
確かに、ゲームへの没入感は、よりきれいな映像や世界を体感できる高性能なゲーム機の方が高いとは思います。
しかし、途中でディスク媒体にありがちな長いローディング時間が入ることで、現実世界へ引き戻されてしまっては、その没入感も低くなってしまうのではないかなぁと。
ただし、カートリッジ媒体が必ずしも売れるとは限りません。
そこにはゲーム機本体の価格と、カートリッジの価格が安くないと、普及するのは難しいとは思います。
さらには、リリースされるゲームが、様々なジャンルや、様々なパブリッシャーから供給されないと、これまた普及するのは難しくなって、WiiUのような状況になってしまいますが・・・
それでも、個人的には「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」は一度は上がってしまった家庭用ゲーム機をプレイするためのハードルを再び下げてくれるハードだと思って、秘かに期待していたりします。
ただし、実際に我が家で買うかどうかは、現時点では不明。
娘はかなりはまった「Splatoon(スプラトゥーン)」の新作が出そうなので、買ってほしいといっております。
しかし、それ1本だけでは即購入には踏み切れないので、これからの情報や、発売されるゲームソフトの状況を見てからになるとは思います。