本日(2016年3月1日)より、ラジオやテレビに次いで、第3の新しい放送サービス「i-dio」のプレ放送が開始される(された?)そうです。
私自身は、全く知らなかったのですが、たまたま記事を目にしたので、ちょっと気になって調べてみました。
上記の公式サイトによると、
アナログテレビの放送が終了した後のVHF-Low帯の電波を用いたデジタル放送(V-Lowマルチメディア放送)です。 テレビでも、ラジオでもない、新しい放送サービスです。 映像、音声、データ放送など、多様なサービスが地域ごとに提供されます。
ということだそうです。
受信環境があれば、受信自体は無料。
受信するのに契約も不要で、通信料もかからないそうです。
ただし、受信するためには、専用機器が必要となるようです。
既存のスマートフォン(Android/iPhone)と、専用のチューナー「i-dio Wi-Fiチューナー」を使って受信。
現在、無料で専用チューナーのモニターを募集中です。
「i-dio Phone」という専用のスマートフォン(Android)も販売されているようです。
その放送サービスが本日より、プレ放送スタート。
ただし、サービス開始時に視聴できるエリアは限られており、東京・大阪・福岡の3カ所のみ。
また、専用のチューナー以外に、端末に応じたアプリも必要で、各ストアからダウンロードしないといけません。
しかし、本日時点では、Android版のアプリのみが公開されているらしく、iPhone版のアプリは3月上旬公開予定とのこと。
したがって、現時点で放送を受信できる人は、すでに「i-dio Wi-Fiチューナー」を持っている、Androidスマートフォンユーザーのみとなるようです。
主な特徴としては、
- 地上波最高音質の音楽チャンネルなど、多彩な音声チャンネルが展開されます
- 映像やデータ放送など、多彩なデジタルサービスをスマートフォンやカーナビゲーション・デジタルサイネージなどに展開します
- 輻輳しない放送波の利点を生かしたデータ配信で、安心・安全情報やIoT時代のインフラサービスをお届けします
などがあるそうです。
「地上波最高音質」がどの程度の音質なのかは聞いてみないと分かりませんが、気になる人は一度チェックされてみてはいかがでしょうか。
さて、この新しい放送サービスが開始するという情報を見て、個人的な感想を。
機器的な制約をどうクリアするのか?
実際には、受信するためのチューナーも持っておりませんし、モニターへの申し込みもしておりません。
したがって、現時点でサイトなどから読み取れる情報を元にした感想でしかないということを前置きしつつ、個人的な感想を。
実際にユーザーに利用してもらうとなると、少々ハードルが高そうというのが一番気になった点。
興味が無い人に興味を持ってもらうには、これらハード的な制約が少々厳しそうな感じがします。
興味を持ったとしても、すぐに試せない・・・専用のチューナーを入手するところからスタートというのは、ハードルが高いなぁと。
さらにチューナーを入手したとしても、チューナーをつなぐためにスマートフォンの Wi-Fi によるデータ通信機能を犠牲にしてまで「i-dio」を視聴したいという人が果たしてどれだけいるのかなぁと。
「i-dio」を視聴している状態では、Wi-Fi を利用したメールの送受信や、ネットサーフィンなどができないというのは、ちょっと不便かなぁと。
すでに発売されている「i-dio Phone」だと、「i-dio」を視聴しながら Wi-Fi によるネットワーク通信が同時にできたりするのでしょうか?
それとも、他のスマートフォンと同様に、「i-dio」視聴中は Wi-Fi が繋がらなくなるのでしょうか?
いずれにしても、普及させるには、この部分をどうやってクリアーしていくのかが課題になりそうな気がします。
テレビやラジオなどに「i-dio」の受信機能がつけば、利用する人も出てくるとは思いますが・・・
サービスとしての利点は?
次に、現状で既存のサービスと比べての優位点が今ひとつ見えてこないというのも気になります。
わざわざ受信に必要なハードを入手してまで受けることができるサービスとして、果たしてメリットがあるのかなぁと。
送信者側からの情報を一方通行で受け取るサービスとして、すでにテレビやラジオが普及している状態で、新たに同じようなサービスを立ち上げるメリットはどこにあるのかなぁと。
ラジオは音声を放送し、テレビはさらにそれに映像を追加、「i-dio」は新たにデータを放送しますと言われても、ユーザーの状況は1人1人違うわけで、欲しいと思うデータも各人違っていると思います。
電波に乗せてデータを送る時に、受信者全員にとってその時点で有益な情報を提供するということは多分不可能かなぁと。
どういうデータが流れてくるのかはわかりませんが、その場で必要ではないデータを放送されていても、ユーザーにとっては意味が無いのではないかなぁと。
必要な情報をユーザーが能動的に受信できる、インターネットにあるサービスと比べて、優位な点はどこにあるのかなぁと。
何かの番組を見るのに、放送される時間に合わせて受信機の前にいる必要があるテレビやラジオが、好きな時間に好きなコンテンツを視聴できる、欲しい情報を取得できるインターネットに利便性で劣っているという状況と同じことにならないかなぁと。
ユーザーが欲しい情報を欲しいタイミングで提供されるサービスであれば普及する可能性もありますが、「放送」である以上、電波にのって情報がだだ流しになっているのを受け取るだけだと、スイッチをつけても必要な情報を即時得られないということもあり得ます。
そうなると、そこまで普及して行かないのではないかなぁと。
今ひとつユーザー側のメリットが見えないサービスではありますが、今後コンテンツやチャンネルが充実していけば、普及したりするのかもしれませんが・・・
個人的な感想
とりあえず、上記に書いた機器的な制約と、現時点でサービスとしての利点が今ひとつ分からないという点から、放送が開始されているエリア(大阪)に住んではいますが、私としてはしばらくはパスで様子見かなぁと。
「Wi-Fiチューナー」のモニターに応募してみるということも考えてみましたが、Wi-Fiが使えなくなる時点で、おそらく届いても利用しないかなぁと。
そういう私が申し込むことで、他に私以上に視聴してみたいという人の当選枠が消えるのは、申し訳ないと思うので、申し込むのを止めました。
とりあえず新しい放送が開始されたということで、今後の動向を見て行ければなぁと。
アナログ放送を停波して、そのかわりとして始まった放送なので、アナログ放送以上にユーザーにとって便利なものになることを期待しております。