先日、天気の悪い日の探鳥用に購入したコンデジ Panasonic「DMC-FZ300」。
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前回の大阪城探鳥にて、1日使ってみました。
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ただ、1日と言っても、結局いつも回っているルートを全て回り終える前にバッテリー切れが発生。
予備のバッテリーも購入していなかったため、市民の森の始めの方までしか使えませんでした。
いつでも撮影できるようにと各所を歩いて回っている最中は電源オンにしておりました。
背面の液晶は閉じた状態で、撮影時にEVFを覗いて撮影するという感じの使い方です。
撮影枚数としては200枚程度でした。
ただし、私自身の探鳥スタイルとしては普段から双眼鏡を持たずに探鳥しており、撮影するとき以外に遠いところで何か動くものが見られたら、双眼鏡がわりにカメラを覗いていたということも頻繁にありますので、バッテリーの持続性については、あまり他の方の参考にはならないと思います。
中古で購入したカメラなので、バッテリーが劣化しているせいなのか、それともそれぐらいが普通なのかはわかりませんが、私の普段通りの使い方で、いつものルートで大阪城を回る時には、予備のバッテリーを購入する必要があることは間違いないようです。
そして、使ってみた感想としては、野鳥撮影用のカメラとしては、概ね問題ない感じでした。
普段使っているデジタル一眼Canon「EOS 90D」と比べて、有利な点もちらほらと見受けられました。
また、サブカメラとして持ち歩いているSONY「DSC-HX90V」よりははるかに使い勝手は良かったです。
操作する上で気になる点もいくつかあったので、その辺の感想を含めて簡単に個人的な感想を記事としてまとめておきます。
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電子ビューファインダー(EVF)は利点と欠点が混在
日の出前の早朝から大阪城を回っているため、お堀の中が暗くて見えないことが多いのですが、EVFだとセンサーを経由するおかげで、かなり明るく見ることができました。
「EOS 90D」の光学ファインダー(OVF)ではほとんど姿をみることができないであろう水鳥や石垣の対岸などが、EVFを通せば比較的明るく見えることがわかりました。
これは使っていて利点かなぁと。
もししかしたら「EOS 90D」でも光学ファインダーを使わずに、センサーを通して背面液晶で見れば、明るく見えるのかもしれませんので、次回早朝のお堀で試してみようかなぁと。
ただし、時々空が抜けているような樹間を移動する野鳥の撮影には、EVFは少々不利に働くことが多かったです。
枝葉の暗い部分に露出が合えば、野鳥の姿は比較的見えやすいのですが、隙間の空に露出が合うと、枝葉の部分が真っ暗になり、野鳥の姿が見えなくなってしまいます。
OVFの場合は、暗いところであっても、自分の目である程度調整して、暗くても明るくても野鳥の姿がぼんやりと見えたりしますが、センサーを通したEVFでは、それができないため、野鳥を追うには少し不利かなぁと。
露出を暗いところに合わせた状態(AEロック)もしくは、常に露出を+補正した状態であれば、追いかけやすくはなりますが、明るいところに移動されると野鳥の姿は見失ってしまいます。
また、撮影したときにEVFが暗いブラックアウト状態になるのですが、一瞬だとは思うのですが、ブラックアウトしている間に野鳥が移動すると、見失ってしまうことがしばしばありました。
OVFだとミラーアップの時間は、ほぼシャッタースピードと同じぐらいのわずかなので、そこまで頻繁に見失うことはないだけに、少々残念な感じではあります。
EVFでもブラックアウトの時間がほとんどないカメラもあるので、EVFのせいというわけではないと思いますが・・・
後からの明るさ調整が難しい
RAWで撮影すれば、そこまででもないのかもしれませんが、JPEGのみで撮影していた場合、露出オーバーや露出アンダーで撮影した後、PCを使って明るさを調整しようとしても、あまり綺麗に調整できないようです。
ダイナミックレンジというか、ラチチュードが狭い感じです。
デジタル一眼の90Dで撮ったJPEGの場合は、露出がずれていても、後からPCで明るさ調整すれば、それなりに見える写真になるのですがFZ300の場合は、調整してもかなり厳しい状態にしかなりませんでした。
AEロック後にAFが動作しない?
私は普段から親指でAFを操作し、シャッター半押しでAEロック、シャッター全押しで撮影という操作をしております。
FZ300でも同じく、AFの操作については親指部分の[AF/AEロック]ボタンに割り当て、シャッターではAFが動作しないように設定しました。
で、普段90Dで撮影するときに、適正露出に近いと思われるポイントでシャッターボタンを半押ししてAEロックし、その後AFボタンでピントを追いかけるというような撮り方をすることが多かったりします。
ところが、FZ300で同じ方法をしようとすると、シャッター半押しでAEロックした後、AFボタンを押してもオートフォーカスが動作しないようです。
AF速度は期待していたほどは速くはない
90Dを使っていると、AFが大きく外れた後、合焦するということがよく起きます。
一度大きく外れることがあるため、野鳥の撮影機会を逃すことが稀にあったり、野鳥の姿を見失うことがあったりしました。
そのため、AFの速度と精度が高いカメラがあれば、是非使いたいと思っておりました。
そして、Panasonicが自慢する「空間認識AF」については、かなり期待していて、そんなことなくピントが合焦すると思っておりました。
しかし、実際に使って見ると、挙動的には同じような感じでした。
合焦速度についても、大きな差はあまりない感じで、少々期待はずれに終わってしまいました。
ただ気になるのは、ピントが近い状態の場合の挙動。
本来のピントよりも少しずれている場合、90Dの場合は、そのまま調整してピントが合うのですが、FZ300の場合は、一度大きく外してから、ピントを合わせに行くことが多いような気がしました。
ただ、AFボタンを一度押した時には、ピント調整が行われず、2回目でそれが発生します。
もしかしたら一度目に押した時に、ピント調整が行われていないようで、実際には行われていて、その後2回目を押したせいで、一度ピントを外して合わせているのかもしれません。
この辺はもう少し確認する必要があるかもしれません。
やはりデジタル一眼と置き換えることは難しい
重量的には非常に軽く、レンズの明るさもF2.8と明るいので、もしかしたら現在使っている90Dは使わなくなるのではないかと危惧しておりました。
出かける前にリュックに入れて背負った後、エレベータの中で入れ忘れたのではないかと不安になるほどの軽さは魅力的です。
しかし、実際に1日使ってみた感じでは、完全に置き換えることは難しそうです。
それは、私自身の双眼鏡を持たない探鳥スタイルによる部分も大きく、肉眼を使ってOVFで見る風景の方が、センサーを経由したEVFの風景よりも見やすいというのが最大の理由です。
露出オーバー/アンダーな風景に対しての処理能力は、センサーよりも肉眼の方が上なので仕方がないかなぁと。
あと、撮影した後の写真の加工のしやすさの点でも、90Dの方が扱いやすいかなぁと。
明るさの調整もありますが、リサイズによる切り抜きのしやすさは、高画素数の写真の方が融通が利きます。
野鳥撮影においては、600mmのレンズでは、撮れる被写体の大きさが小さい場合も多いので、後からトリミングで拡大する場合のことを考えると、高画素数の90Dの方が便利であることは間違いありません。
それでも雨などの悪天候下での使用においては、サイズが小さくて防塵防滴にも対応しているFZ300の方が圧倒的に便利であることは間違いありません。
なので、当初の予定通り、天気が崩れない日は90Dを使い、天気が怪しい日はFZ300を使うという方針でいくことにしました。